この記事は,統計検定2級に合格した筆者がその勉強方法をまとめたものです。
統計検定2級の学習をこれからされるという方は,よかったら参考にしてください。
なお,この記事は,筆者が合格までに使用した教材について中心に説明してあります。具体的な勉強の進め方については,この記事では扱っておりません。それはまた別の記事にするかもしれないです。
留意点として,筆者の勉強には,
①独学であった点
②学習時間が短かった点(約10日)
の2点の特徴があります。そのため,あくまで参考になる点だけ拾って読んでいただけると幸いです。
なお,試験はCBT方式で受験し,一発合格しているので,一定の再現性はあると思われます。
1 筆者の情報
勉強方法の説明に入る前に,筆者の情報と筆者の学習時の環境についてお話しておこうと思います。
筆者は大学院で法学を専攻とする大学院1年生です。学問の性質上,統計の知識を必要とすることはまずありませんが,自身の興味から学習を開始しました。
勉強開始は,大学院1年生の夏休みでした。したがって,一日中勉強に時間を充てることができました。
勉強開始時点では,大学レベルの統計の知識はほとんどゼロでした。学部の1年生の時に,教養科目の統計学を履修しましたが,その時の知識はきれいに抜け落ちていました。したがって,ほぼ一から勉強しなおしました。
ちなみに,このことはわりと想定外でした…
2 独学勉強・費用をかけない学習
筆者はもともと学部の時に一度勉強していたので,「2級くらい楽勝だ」くらいの思いで勉強を開始していたので,はじめから費用はかけないつもりでした。後々,それが間違いだと気づいたものの,もう方針転換もできませんでした。そういう経緯もあって,WebサイトやYouTubeを中心に勉強するスタイルで学習を進めていきました。
3 学習教材と進め方
ここからは,具体的な学習方法の説明に入ります。ステップ1からステップ4まで使用した教材を列挙しましたが,必ずしもこの順番で進めていったわけではありませんのでご了承ください。
ステップ1 YouTube 「統計チャンネル」
YouTubeのチャンネルである「統計チャンネル」は,私が勉強し始めて最初に見つけた教材です。
当時,独学で途方に暮れていた私は感動しました。
回帰分析など,「線形モデル分析」の分野は取り扱っていませんが,推定・検定など2級の重要論点が網羅的に解説してあります。
もちろん,すべて無料で見ることができます。
やはり,本で読むだけでなく,人が解説してくれているのを見ると,新しい知識の習得に対する抵抗感がぐっと下がります。
動画の特徴
・第1回~第50回まで50本の動画
・1本あたりの時間は10~20分程度
・動画の流れは,<論点の説明→設例→確認問題>の流れが多い印象
・全体的に解説が丁寧で,定理の証明や公式の導出もしてくれる
・難易度も,2級に十分対応可能
使い方
<インプット>
新しい論点に入るときに,一番最初に見るのがこの動画でした。
全体像把握,わかっていないところのあぶり出しに使いました。特に,私の場合は,「こんな論点,あったっけ」みたいな思い出しもここでできました。
ただし,いわゆるテスト用の練習問題などはなく,具体的な練習は「ステップ2」で行いました。
ステップ2 Webサイト 「統計WEB」
次にご紹介するのは,インターネットサイトの「統計WEB」です。
こちらは,統計検定2級の範囲をほぼすべて網羅されており,2級対策はこれだけ見れば問題ないレベルで解説が充実しています。もはや,テキストはいらないといっても過言ではありません。
さらに,各論点に「練習問題」もついており,その解説も丁寧です。2級の対策がこのサイトだけで完結するほどのクオリティーです。
ネットでの評判もいいみたいです。私も,このサイトには大変お世話になりました。なお,(信じられないですが)このボリュームの教材をすべて無料で見ることができます。
使い方
<インプット><アウトプット>
・エクセルでまとめ
統計検定2級の学習範囲は多岐にわたり,学習ボリュームが多いので,自分がどこを勉強したのかを分かりやすくするために,進捗表をエクセルで作って管理しました。
表を作ってからも,勉強範囲が終わるたびにチェックしにいかないといけないので面倒でしたが,学習の進捗度合いが明瞭になるのでやってよかったと思います。
また,論点ごとに重要度を星0~3に分けていきました。全く重要でないものから☆0,☆1,・・・で、超重要なものが☆3といった感じです。
重要度はあくまで自分の主観とはいえ,やはり全体の中で重要な点が見えてきていいと思いました。また,星を付ける作業自体が,その内容を把握していないとできないので,勉強のやる気向上や気分転換にも少しは役立ちました。
・練習問題
統計WEBは「練習問題」が非常にいいので,ここで問題を解きまくりました。特に,推定・検定の重要度の高い論点の問題は,3回くらい解いていると思います。
ステップ3 テキスト 「統計学基礎」
次は,テキストです。統計検定の公式テキストが出ていたので,それを使用しました。
「費用はかけないのではなかったのか」とお思いの方もおられるかもしれませんが,これは今回統計学の勉強を始めるより前に,学部時代に購入していたものを引っ張り出して使用したものなので,どうかノーカンでお願いします。ただし,このテキストは購入しなくても問題ないと思います。
公式テキストであるため,試験範囲が網羅的に掲載されています。
しかし,分量的に重要度に応じたメリハリはなく,読みにくいといえます。結局何が大事かが読んだだけではわかりにくいので,ひとりで読もうとすると,そうとうきついと思います。
したがって,テキストを購入するなら,公式かどうかにかかわらず,自分の好きなものを買えばいいと思いますし,そもそも合格するだけでよければ,「統計WEB」で十分だと思います。
使い方
<アウトプット>
復習用,公式の確認,ノートまとめ(公式等の整理)用
紙の本なので,見たいときにさっと読んで確認できる点はいいと思います。
ステップ4 問題集 「公式問題集2015~2017年」
学習の区切り,試験の直前(前日,前々日)に使用しました。
過去問が6回分収録されています。この本も公式テキストと同じ経緯で入手したものですので,問題が古くなっています。ここの画像で示しているものは、最新のものを載せてますが,実際に私が使用した教材は古い版のものでした。
問題集は,テキストとは異なり,購入して取り組む価値があると思います。
「統計WEB」にも練習問題がありますが,やはり問題数が限られます。また,試験の形式や本試験の問題の傾向を把握するのも重要です。さらに,学習の途中で問題を解いて学習到達度を図りたくもなるものです。
このような点から,公式問題集を入手して,形式演習をしてみるのがいいと思います。
なお,留意点として,公式問題集は問題の傾向把握に便利ですが,CBT方式とは若干傾向が異なる点に注意が必要です。また,私は,お金をケチって古い問題集をそのまま使用していたのですが,傾向の把握などのためには,もちろん最新の問題集がいいと思います。
使い方
<アウトプット>
時間を計って,ひたすら問題を解きました。また,解いた問題は必ず復習しました。
ただし,同じ問題を全部解きなおした回は,一回あったかなかったかぐらいだったと思います。なお,6回分あったのに,時間の都合で結局3,4回分くらいしかできませんでした。
4 最後に
今回,この記事では,筆者が合格までに使用した教材について中心に説明しました。ステップ1からステップ4までの教材で,統計検定2級の対策は,独学でも十分できると思います。
特に,ステップ2の「統計WEB」はいい教材だと思います。これだけでも,一度チェックすることをお勧めします。
私は,ステップ1からステップ4までの教材を進めて,統計検定2級の合格に必要な実力を備えて試験に臨むことができました。
実をいうと,試験までの時間が足りな過ぎたことから,若干裏技のような学習方法で準備していったのですが,もしかしたらそのことも別の記事で書けるかもしれません。