この記事は、大学院生の筆者が共通テスト「簿記・会計」の問題を解いたら何点取れるのか試してみた結果について書いたものです。その後、問題の内容、問題を解いた感想についても付け加えております。
<目次>
1 結果
2 出題内容
3 感想
0 はじめに(補足情報)
問題を解く筆者の情報は次のとおりです。
・日商簿記検定2級取得済み
・税理士試験会計科目(簿記論と財務諸表論)合格済み
・1年以上簿記の勉強はしていない→ブランクあり
・商業高校出身ではない
1 結果
問題を解いてみた結果は次のとおりです。ちゃんと時間は計って解きました。
結果としては、100点満点中 80点 となりました。特別点数が良いわけでもなければ、かといってネタにするほど悪いわけでもないという中途半端な結果となってしまいました…
2 出題内容
問題は3問構成でした。また、第1問は、AとBに分かれていました。
第1問A(配点22)は、会話文を読んで簿記に関連する問題に答える形式の問題でした。
第1問B(配点18)は、伝票についての問題でした。
第2問(配点30)は、帳簿組織に関する問題でした。
第3問(配点30)は、決算整理型の問題でした。
3 感想
まず、全体の印象として、かなり難しいと思いました。見たことない形式の問題(これは対策をしておかない私の問題ですが)に戸惑ったのも大きかったかもしれません。
ボリュームもまあまあでした。ちなみに、回答順序は、
素読み(約3分)→第3問(15分弱)→第1問(20分程度)→第2問(25分弱)
という感じで、全部回答できましたが、時間ぎりぎりまでかかりました。見直したりする余裕はなかったです。
電卓が使えない点にも戸惑いました。信じられないような単純な引き算のミスを何か所かしています。
ところが、ネットなどでのこの問題の評価を見ると、「簡単だった」みたいな意見が多くみられました。実際に問題を解いて90点越えみたいなことをさらっと書いてる人も結構いたので、その人たちはすごいと思いました。
完全にできなかった言い訳みたいになってしまっているのですが、今まで見たこともないような問題が出てきたのが難しく感じた原因だと思います。
私が行ってきた簿記の勉強は、税理士試験対策がほとんどでした。税理士試験では、伝票や帳簿組織の出題実績はほとんどありません。そのため、予備校でも伝票や帳簿組織の論点の講義はほとんどありませんでした。
今回の問題でミスしている箇所が第1問B(伝票)と第2問(帳簿組織)に集中しているのはこのためです。むしろ、複合仕訳帳制とか初めて聞いた(または記憶のかなた)ものを、よくここまで回答できたよなと思います。
第1問Aは、見たことない形式ではありましたが、問われている内容はごく普通のことだったので回答することができました。
商業高校の高校生はこんなことまで勉強しないといけないのか、お疲れ様です…というのが正直な感想です。
それと同時に、帳簿組織のこのような問題を勉強させてそんなに意味あるのかな、とも感じました。受験生時代にも、講師から
「将来消えていく論点だからそんなに勉強しなくていい」
と言われていた論点でもあるので余計にそう思います(単純に私の私怨でもある)。
もともと勉強していた論点(第3問など)については、ごく基本的な論点ばかりが出題されたこともあり、意外と覚えていたなという印象です。
電卓持ち込み不可であることから、割引の計算(リースなど)が出ないことがわかっていましたが、当初の予想以上に基本的な論点からの出題でした。ネットなどで「簡単」と評価されるのはこの辺りが理由だと思います。
それでも、準備金の積み立てのところが抜け落ちていましたが。
今回の問題ですが、私はなじみの薄い論点がでて難しいと感じましたが、商業高校のカリキュラムに沿って勉強している高校生にとっては比較的取り組みやすい問題であるように思われました。完全に私の勘ですが、平均点は65点くらいになる気がします。
[2022/01/19追記]大学入試センターの発表によると、平均点(中間集計)は47.20点とのことでした*1。予想が思いっきり外れました。受験生は簿記だけじゃなくて5教科7科目同時に仕上げないといけないという点を完全に忘れてました。
私は、商業高校の出身ではないので、共通テスト(旧センター試験)を「数学ⅡB」で受けました。簿記会計のボリュームもまあまあありましたが、数学ⅡBに比べたら計算量もずっと少なくて(年度が違うので単純比較できませんが)取り組みやすいように思われました。
*1:令和4年度大学入学共通テスト(本試験)平均点等一覧(中間集計)abm.php (dnc.ac.jp)(確認:2022/01/19)